ニカラグア小さな農園を守る2021

ニカラグア
小さなコーヒー農園の
雇用を守るプロジェクト(募集終了)

小さなコーヒー農園を救うことが町全体の雇用を守ることにつながる取り組み

農園に掲げられた日本語の言葉

近年、ニカラグアのコーヒー農園は国内経済の悪化、多国籍コーヒー生産企業による域内進出、近隣国への労働力流出などさまざまな問題に直面し、コーヒー農園を放棄せざるを得なかったり、多国籍企業に買収されるなど農園経営が厳しさを増しています。

ニカラグアのセルヒオ・ノエ・オルティス氏はエル・ポルベニール農園、カサブランカ農園、エンバハーダ農園という3つの農園を経営する小さなコーヒー生産者です。
現在、セルヒオ氏のコーヒー農園では生産コストが販売価格を上回るという大変厳しい状況に置かれています。生豆の輸出には中間業者を経るためセルヒオ氏の生豆だけを高く購入することはできず、また、小さな農園のため生産量にも限界があるため経営の厳しさは変わることがありません。

そのため、セルヒオ氏のコーヒー農園を守るためには、コーヒー生産にかかる資金の一部を日本から直接支援することが必要になります。
さらに、農園のあるオコタルという町はコーヒーで生計を立てている人が多いため、この取り組みはセルヒオ氏個人を救済するだけでなく、町全体の雇用や生活を守ることにもつながります。

生産者の個性が楽しめる地域特性豊かなコーヒーは、セルヒオ氏のような伝統的な生産者が真摯にコーヒーづくりに取り組んでいるからこそ生まれるものです。ニカラグアの小さなコーヒー農園と産地を守るプロジェクトにぜひご理解とご支援をお願い申し上げます。

農園主 セルヒオ・ノエ・オルティス(Sergio noe ortez)

農園主セルヒオ・ノエ・オルティスさん

1974年1月1日生まれ、46歳。
ニカラグアの北東部サンフェルナンドの村に生まれ、現在はニカラグア最北のコーヒー産業と密接な街オコタル近郊の村トトガルパに妻と子供4人の6人家族でドライミルを併設した住居に居住している。
正確は真面目で几帳面、どちらかというとシャイ。物腰は柔らかい。
文化を大事にしていて、来訪客にはコーヒーにとどまらずニカラグアのいろんなことを教えてくれる。それゆえに自身も外国の文化も尊重している。
コーヒー生産者としての一面意外にも熱心なカトリック教会の信者である。若くして父や兄弟を交通事故で亡くして孤独となったこともあり、信仰心を大事にするようになった。オコタルの街の教会では幹部も務めていて、昼はコーヒー生産業、夜は教会のミーティングなど多忙な生活を送っている。日曜のミサの日などは、ラジオから彼の聖書を読み上げる放送が聞こえてくることもしばしばある。
こういった性格で、基本的に自分のことを後回しにしてでも人々や世の中にために尽くすタイプ。
寿司が好きらしい(ニカラグア人は基本的に生魚を食べれない)。若い頃の酒癖の悪さを戒めとしていて、お酒は一切飲まない。

もちろんコーヒー作りにも熱心。様々な栽培品種を様々な農園に植えて検証してみたり、毎年凝った精製方法を試したりしている。ニカラグアのコーヒー離れした特徴的な味と香りを持ちつつも、クリーンなコーヒーを作ることを目指している。
ここ数年は天候不順による不作や国内の政情に振り回されてコーヒーの生産が上手くいかず塞ぎ込みがちだったが、今年は今のところ生産状況も良く、元気を取り戻しつつある。

セルヒオ氏が経営する3つの農園

コーヒーの手摘み作業をするピッカー

カサブランカ農園(Casa Blanca

1986年にセルヒオの父が購入し、現在は義理の母一家が管理する農園。オコタル近郊のディッピルトに位置しているため街からのアクセスも良く、ウエットミルも併設しているメインの農園である。メインバラエティはPacamara、Caturraなど。「カサブランカ」はスペイン語で「白い家」を意味し、農園の麓に建てられたセルヒオの親戚の家の外観から名付けられた。

収穫したコーヒーチェリーを運ぶ

エルポルベニール農園(El porvenir

1978年にセルヒオの父が購入した農園。オコタルから北東に20kmほど離れた山の中に位置している。農園といっても整備は最小限で、かなり自然が残された状態で共生している。メインバラエティはJavanica、Pacamara、Caturraなど。「エルポルベニール」はスペイン語で「未来」を意味し、この農園から彼らの未来を切り開いていくこと祈り名付けられた。

天日干しの様子

エンバハーダ農園(Embajada)

2010年にセルヒオが購入した農園。オコタルの少し東にあるモソンテという小さい街から、山の奥深くへ片道1時間程半延々と険しい山道を走り続けた先に位置する農園。厳しい山道は雨季にはしばしば崖崩れが起こり、農園に行くことすら不可能な時期も多い。山奥の秘境のようなコーヒー農園で、ニカラグアのコーヒー農園としては標高も高く特殊なテロワールを持つ。ただし天候に作用されやすく、アクセスの悪さによるピッカー雇用のコスト高などデメリットも多いが、特殊なコーヒーを生産することを目指している。メインバラエティはRed catuaiとYellow catuai。その他Geishaなど実験的な品種を多数植えて試験している。農園の名付け親は、セルヒオの父親の代から懇意にしている日本人で「エンバハーダ」はスペイン語で「大使館」を意味している。